【商品説明】
デンマークに買い付け行くと必ずと言っていいほどお目にかかるこの本棚のシリーズ。バリエーションは3つ。今回ご紹介している、上段が本棚、そして下段が収納のタイプ。2つ目は上段が本棚、そして中段があって蛇腹の収納になっていて、下段が収納。そして最後は上から下まで全て本棚のタイプ。どれもしっかり作られていてお店では人気のモデルです。

何年か前まで、このシリーズは「作者不明」としてデンマークのディーラーも販売をしていましたが、ここ数年はデザイナーの名前が分かったのか「Johannes Sorthデザインだよ」って言ってくれるようになりました。でも、僕の頭の中では「ところで、Johannes Sorthは誰なの？」ってのがあって、ディーラーに聞くも「有名な人だよ」くらいの情報しか知らない。

Johannes Sorthは社長兼デザイナー／職人です。Bornholms Møbelfabrik社（「ボーンホルム・ムベルファブリック」）という家具製造会社の代表です。バルト海に浮かぶ淡路島と同じくらいのサイズの島「ボーンホルム島」。地理的には相当スウェーデン寄りですが、デンマーク領土です。この島にある唯一の家具製造会社。創立はJohannes Sorthが1人で工房を始めた1928年。彼は1965年に病で倒れますが、息子のCarsten Sorthが後を継ぎます。1984年に彼が病に倒れてからは、他の家具製造会社が引き継ぎがんばっていましたが、1991年にBornholms Møbelfabrik社はその幕を閉じる事になります。

Bornholms Møbelfabrik社が作っていた家具の全ては自社デザイン。Johannes Sorthが頑張っていた頃は彼がそのほとんどをデザイン。このシェルフのシリーズは他の3つのタイプと合わせて、1956年にデザインされ、1972年にその製造を止めるまで約100,000台を作り販売したとの記録が残っています。相当のヒット商品だったらしく、現在のお金に換算すると年間このシリーズだけで日本円で3億円くらの売り上げがあったといいます。

これだけ販売したのだから、買い付けでよく見るのも頷けます。

このシリーズの製造をやめた理由が少し面白いのです。時代のニーズと合わなくなったとの理由はもちろんあったと思いますが、日本向けの家具製造をするため製造ラインを開けなくてはならなくなったという理由もあったのだそうです。実際にBornholms Møbelfabrik社が日本にどれだけ輸出したかという記録は残っていないので定かなところは分かりませんが、相当な数は日本に輸出されていたと思います。なんとなく、親近感が湧きます。

この家具の幅は100cm。幅100cmは当時よくあったサイズみたいで、北欧ヴィンテージの他のシェフルも同じ幅100cmのものが多い。日本の家屋のほとんどは尺寸法で建てられることがほとんどで、例えばドア横のデットスペースにと考えても100cmだと微妙に大きすぎるとなる場合もあるかもしれません。比較的広いリビングの壁に置いたり、またパーソナルルームならデスクと併用で使うといいかもしれません。上段のシェルフ部分に飾り物をアクセントとして使えばインテリア度アップで楽しくなると思います。

こののシェルフの脚、現地のディーラーがコンテナに入れ忘れたみたいです。そのため、同じ家具の脚から寸法を取り、全く同じものを作りました。新しい部品はオリジナルのヴィンテージ品よりも収まりの精度が高く、ヴィンテージ品よりも安心してお使い頂けます。制作に使用した材は本体と同じチーク材です。

全研磨後に環境にやさしい天然成分から出来たオイルを使い仕上げました。