この「パーテション100」の材料として使われるフィンランドのマツ。私たちに身近なマツは海岸沿いの防砂林（防風林）として植えられた「クロマツ」かもしれません。パーテション100に使われるマツはそのマツではない、アカマツ。ヨーロッパアカマツといいます。防砂林で見るクロマツ、それほど太いものは見ない印象ですが、このヨーロッパアカマツは真っ直ぐ25メートル程まで成長し、そして幹の直径は1メートルにも達します。

フィンランドはとっても寒い地域ですから、植物地理学的にタイガ（北部針葉樹林帯）。こんなタイガに育つ木の種類はそう多くないのです。私たちがたまに立ち寄る近所の森や林。植林地ではなく、自然の植生が残っている森や林をよくよく見ると、ほんとに沢山の種類の木が生えているのが分かります。フィンランドに行くと、あの風景には出会えないのです。フィンランドにあるのはこの3種の木。「マツ」、「スプルース」、そして「カバノキ」です。この3種でフィンランドの森の97%をカバーしています。

Artek好きならもうご存知の「カバノキ」。そうです、スツール60等が作られる「バーチ材」の日本語名です。

たった3種類の木しかありませんが、この3種類の木が国土の約72%を覆っているのです。都会を除き、めちゃ森が多いとされる私たちの日本でも60%程。フィンランド到着前に飛行機の窓から見える広大な緑の絨毯。あれは、実は空港周辺だけじゃなく、国全体がそうなっているのです。そして降り立つ空港建物内をぐるっと見渡すと、所々に使われる木製品や木建材の多さにびっくりです。資源が少ないフィンランド、唯一存在する豊富な天然資源である「木」は生活に欠かすことの出来ない生活道具の大切な材料なのです。

日本のように政府主導の住宅の「木質化」を進めることなどなく、以前からずっとフィンランドの生活には木が普通に溶け込んでいます。また、この大切な資源を持続可能なものとするための管理が徹底していることは世界であまりにも有名です。

大切な天然資源を使いフィンランドの国民が築こうとするもの、それは「生活の質」です。人間らしく、心豊かな生活を送ることが幸せであるという考えが、社会制度から文化に至るまで様々な局面において感じられる現在の北欧の国、フィンランド。

かつての北欧フィンランドは厳しい自然環境と乏しい資源による、貧しく暗い時代が20世紀の初頭まで続きます。また、貧困ゆえに教育レベルは低く、衛生観念も未熟となるなかで、特に北部を中心に餓死者が出た地域もあり、働き口を求め多くのフィンランドの国民が自国を捨て、アメリカやヨーロッパ諸国へと移住した時代もありました。今でも、アメリカ、そしてイギリスを始めヨーロッパ各国に旅すると、祖先がフィンランド人だという人に頻繁に出会います。

また、フィンランドは言語圏の違いから12世紀末までヨーロッパ文化の圏外に置かれ、12世紀から19世紀にかけてスウェーデンの領土となり、1809年にはロシアの自治公国になります。自国のアイデンティテイを幾度となく揺さぶられながらも、やっと1917年にロシアから独立を勝ち取りました。

フィンランドがこうした苦汁の時代に終止符を打つことになったきっかけには、他のヨーロッパ諸国に比べて少し遅れておこった産業革命。機械化が進むにつれ、フィンランドの人たちは人口が少なく、そして資源が少なくても、知恵を絞ることで生活の基盤を作り上げていけることを知ります。そして生活水準が向上していくなかで、教育にも注力することで発明や技術開発が進むなど、徐々に生活の質の向上を実現する制度と経済力を持ち合わせて行きます。

できるだけシンプルで合理的な方法で、平等に幸せな生活をサポートする社会と、義務をしっかりと果たしながら、同時に権利もしっかりと求めるフィンランドの国民性。そしてその幸せとは、個人の生活が、自由と平等の上にある責任のもとに尊重され、人間らしく暮らせるということが「生活の質」という言葉で表されるフィンランド。生活の質を守るための構成員であるフィンランド国民の意識は、生活の質を守るための基盤である社会制度への関心、また環境問題に対する先進的な取り組みや、デザインに対する意識の高さに現れています。

現在のフィンランドの社会が生まれた背景には身を持って人間らしい生活の重要さを知る、厳しい歴史があったことを忘れてはいけないと思います。

国や制度は違えど、Artekの商品を使う私たちが目指すのも「生活の質」に違いありません。とてもハイスタンダードな持続可能な工程を経て作られるパーテション100。環境問題が気になるからとデザインを諦める必要はまったくありません。生活の質に最も高いプライオリティーに置くフィンランドで作られるこのパーテション100、リビングダイニングの間仕切りとして、小さなプライベート空間の演出、そして壁近くに設置し個別の木質化など、使い方は様々。

持続的に管理された森林は原材料の無限の源。成長中の木は空気中の二酸化炭素を吸いそして体内に溜め、木製品が寿命を終えるまで内部の二酸化炭素を放出しません。1㎥の木材が吸収する二酸化炭素はおよそ1トン。成長期の木は衰えた木よりも、多くの二酸化炭素を吸収してくれるため、地球環境のためには森を常に成長期の木で埋め尽くす必要があります。そのため、適切な量の木の使用し、そして植林を続けるサイクルはとっても重要なのです。

持続可能な森、そして加工から作られる木製品の使用は地球環境のためなのです。

木製品を捨てる時、適切にリサイクル施設に持ち込むことで、化石燃料の代替燃料として再生可能エネルギーの原料として利用できます。木を燃やしたときに放出される二酸化炭素の量は、成長期に木が吸収した量と同程度。正しく廃棄することは地球環境改善に寄与していることになるのです。

サイズや重さ

高さは150cm、重さは20kg程度でそれほど重くないのですが、取り回しが難しく、移動の際は2名の方が安心です。真っ直ぐ伸ばすと2Mありますが、曲線を描くことで自立させるものとなりますことから、実際には幅150cmから170cm程度になるかと思います。

構造

幅25mm程度、そして厚さ12mm程度のスリット材が直径1mm程度のワイヤーできつく繋げられています。鋭角には曲げられず、丸みを帯びた曲げ方しか出来ません。

経年変化

アカマツは陽に当たると、少しづつ褐色になる傾向があります。また、この商品にはラッカー塗装が施されおり、このラッカー塗料も経年により黄変します。その結果、相当先とはなりますが、上記画像のような味のある色へと変化します。

「傷」や「小さなカケ」など

アカマツは素材が比較的柔らかく、また細いスリット材を繋げているパーテーションとなりますので、小さなヒビ割れや傷、小さな凹みやカケなどがある場合がありますが、良品としてのお届けとなります。予めご了承下さいませ。

納期

在庫がある場合、お届けは約3週間からとなります。最短のお届けをご希望の場合には、着日指定の欄は空欄にてご注文をお願い致します。最短のお届け日を折り返しご連絡をさせて頂きお手配を進めさせて頂きます。

お届け日のご指定がございます場合はご注文日からご注文日を含め、3週間以降のお日にちをお選び下さいませ。
（例）ご注文日：6月4日（火）、ご指定可能最短お届け日：6月25日（火）
＊3週間以前のご指定は不可であること、予めご了承下さいませ。

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商品はすべて弊店に入荷後、発送前検品をおこないます。発送前検品において、不具合など、メーカーに確認しなければならない箇所を発見しましたら、代替品の入荷を待ってからの発送など、お約束させて頂くお届け日通りにお届けが出来ない場合がございます。大変申し訳ございませんが、予めご了承下さいませ。

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商品詳細

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アルテックについて

1935年に設立した会社、Artek（アルテック）。北欧モダンを代表するフィンランドのインテリアブランドです。

コンセプトは、Artek＝Art（芸術）＋Technology（技術）。「Art」と「Technology」を融合することにより、モダン家具を追求するという、先進的な試みを行ってきました。木材を近代的な素材として確立し、確かなフォルムと安定した品質で、大量に供給できるようにしたアルテックの技術は、現在も変わらずに引き継がれています。また、必要な箇所だけ刻みを入れた部分的な成形合板化、マイクロ波とプレスチームによる木材加工など、その木材加工技術でも世界にその名を知られています。ひとつひとつが正確で芸術的なアルテック技術の功績は、国内外で高く評価されています。

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